自然界の色〜マラカイト(孔雀石)グリーン〜
マラカイト(孔雀石)は、孔雀が羽根を広げたような模様が入った深緑色の石で、
古来から装飾品に使われたり、この色に惚れ込んだクレオパトラがアイシャドウとして
使っていたことで有名。
ここ最近、現場に立って肌で感じる感触は「マラカイト」に強い関心をよせる人はなく、
視線が素通り。。
主観ではありますが、色としても深い緑に強い魅力を感じる私としては、色の美しさに反応してくれる人がもう少しいてもいいのに•••と残念に思っていた今日この頃。
そんな矢先のつい先日、その「マラカイト」を大事に手に取って目の高さまで持ち上げ、
まるで愛しいものを見るような視線で隅々まで隈無く見ている女性がいらっしゃいました。
話を聞くと、大学で日本画の研究をしているそう。
マラカイトにも色々なタイプの石があるため、顔料にした時の色の出方を、
石の断面をみて予測しながら、顔料に適した石かどうかを見極めていたのだと。
平安時代に、一般の人々は手に入れることができなかった、貴重で高価なものを使って絵を書くことは、当時の権力の象徴であったと教えて下さいました。
なるほど納得です。
表現したい色を出そうと思うと今の顔料では粒子が粗すぎる。粒子が細かい顔料で当時の色を再現するには、やはり原石をミルを使って砕いて自ら顔料を造り出すしかないのだそうです。
研究をしている学生さん達にとって、鉱物で顔料を作ることは、昔と同じく今もとても高価な画材であるに違いない。
ならば、顔料として素晴らしい色を発色する質の高い原石をできるだけ安価で探せないだそうか?もし、国宝の修復等、日本の伝統を守り継承していくことや、学生さん達の研究の助けになれるなら•••。
そんな想いも抱いた横浜赤レンガミネラルショーでした。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございました。
皆様が恋こがれるような石を手にして頂けるようにこれからも努力して参ります!
Sakata